Fortigateでのスタティックルート最大設定値制限

こんにちは。ネットワークソリューション特集 編集部です。
今回は、Fortigateでのスタティックルート最大設定値制限についてご紹介します。

事象

検証にてセンターのFortigateから複数拠点へスタティックルート設定が出来ない事象が発生した。

原因

センター・拠点間はIPsecVPN接続、各拠点には複数セグメントがある。センターから拠点へは全て個別にスタティックルートを設定する設計だったが、設計・検証後、全てのスタティックルートについてブラックホールルートの設定が必要な事が判明した、結果、スタティックルート数が500超えていた。今回調達したFortigateは200Fだったが、スタティックルート設定の諸元が500だった為、設定不可となった。

回避策

  1. SD-WANを使用している場合には、SD-WAN zoneをデフォルトルートに設定し、個別のサブネットに対してはSD-WAN ruleで経路(出力インターフェース)を振り分ける方法。 SD-WAN ruleであれば500以上の設定も可能。
  2. スタティックルートの上限はVDOM単位となるので、VDOMを分ける事でスタティックルート設定数を増やすことが可能。ただし、VDOM使用の為物理でポート分割必要かつVDOM単位でルーティングテーブルが分かれる。
  3. 上位モデルの機種を選定する。

 →今回は、①については実装の検証について、期間・人的リソースが取れず、 ②については物理接続を分割出来ない為不可、結果③を選択。
Fortigate 600Fであれば、1万スタティックルートまで対応。

機器選定時の注意点

機器選定時に、スループット・セッション数・トンネル数・ポリシー数を対象にしたが、ルーティング数の考慮が足りなかった。ただ、 Fortigateは200Fのデータシートには、ゲートウェイ間 IPSec VPN トンネル:2,000 の記載があったのでスタティックルート設定数も当然それに対応してると思い込みした。データシートにはルート数の上限記載は無し。

設定可能な最大数は下記のサイトで確認が必要。「router.static」がスタティックルート最大数となります。

グレーなのでVDOM毎の制限となり、Fortigate 200Fはスタティックルートは500までとなります。

まとめ

  • 大規模構成ではカタログスペックだけではなく設定可能な最大数も確認する

今回はFortigateでのスタティックルート最大設定値制限についてご紹介しました。