Autonomous Database とは
こんにちは。Oracle Cloud Infrastructure(OCI)特集 編集部です。
今回は Autonomous Database(以下 Autonomousに略す)の概要について
記載したいと思います。
Autonomousとは、簡単に言うと
「自己管理するデータベース」です(和訳そのままですが)。
もう少し細かく 下記に記します。
■Autonomous 概要
Autonomousは データベースとインフラの管理・監視・チューニングを自動的に行います。
具体的には下記の通りです。
・パッチ適用、バックアップを自動化
・すべてのデータを暗号化
・停止時間なしに自動でセキュリティ更新プログラムを適用
・障害から自動回復
これらによってデータベースにおける「定期/不定期な運用管理作業」、
「難易度の高いチューニング作業」といったコストの削減を行えることが分かります。
■Autonomous の種類
2つの種類(サービス)があります。
種類 | Autonomous Transaction Processing (ATP) |
Autonomous Data Warehouse (ADW) |
使用用途 | 汎用トランザクション処理向け | 分析作業向け |
対象 | トランザクション、バッチ、IoT関連 | データウェアハウス、データマート、データレイクの代替や機械学習 |
リリース | 2018年8月 | 2018年3月 |
2つの違いは最適化の違いがあり、詳細は後述します。
■Autonomous の構成
ATP/ADWのどちらもインフラ、プラットフォーム構成は 共通で次の通りです。
・Oracle Cloud上のサービス
・物理的には Oracle Exadata上で動作している
・Oracle Datbase 18c のRAC構成で動作している
これらにより、可用性のSLAは99.995%、
1ヶ月間のダウンタイムは2.5分未満となるようです。
データベース内部の構成はATP/ADWで異なっており、次の表に記します。
種類 | ATP | ADW |
特長 | 大量のトランザクションの効率的な実行 | 複雑な分析の高速化 |
メモリ構成 | 主にSGAに割り当て、I/Oを回避する | 主にPGAに割り当て、メモリ内で処理させる |
データ保存形式 | 行形式 | 列形式 |
クエリ最適化 | RDMA (Remote Direct Memory Access) を使用し、低応答時間の直接アクセスでI/Oを回避 | 大量のデータアクセスにあたり、自動で処理を並列化 |
また、ATP/ADWのデータベースにおいて共通で下記の機能を持っています。
・オプティマイザ統計は自動的に収集/維持される。
・リソース管理にあたり、暴走するSQLを自動で終了させる。
■Autonomous の価格
下記の価格計算サイトで実際に価格を確認してみました。
https://cloud.oracle.com/ja_JP/cost-estimator
※下記の構成で試算しています。(2019/1/5 時点)
・1TB ストレージ
・1OCPU
・24時間、31日間 使用
支払い方法 | Pay As You Go (※1) | 月次フレックス(※2) |
ATP(BYOL) (※3) | ¥69,843 | ¥46,562 |
ATP(ライセンス込み) | ¥251,643 | ¥167,762 |
ADW(BYOL) | ¥69,843 | ¥46,562 |
ADW(ライセンス込み) | ¥251,643 | ¥167,762 |
※1 Pay As You Goは 「使用した分だけ後払いできる支払い方法」となります。
※2 月次フレックスは「月額先払いの支払い方法」となり、Pay As You Goより安価になります。
※3 BYOLは Bring Your Own License の略で「既存のライセンスを持ち込んで使う方法」となります。
現状では「BYOL」かつ「月次フレックス」が最も安くなります。
また、構成が同じであれば ATPとADWで価格は変わらないようです。
■Autonomous を使うには
Oracle Cloud (OCI)にログインし、
コンソール画面の左上の[MENU]より ADW (Autonomous Data Warehouse)、
ATP (Autonomous Transaction Processing)の項目が表示されます。
それらを選択し、それぞれの管理画面からデータベースを作成/管理する形となります。
※2019/1/21 追記
Oracle Database SE(Standard Edition)の BYOLで
Autonomous Database が使えるそうです!
詳しくは下記サイトをご参照ください。
Oracle Database SEユーザーにお得な情報
以上、今回は Autonomous の概要について記載しましたが、
次回のブログでは実際に検証を行った結果を掲載したいと思います!