Oracle Cloud Infrastructure 入門

こんにちは。Oracle Cloud Infrastructure(OCI)特集 編集部です。

今回は、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)について、記載したいと思います。

■Oracle Cloud Infrastructure とは?

Oracle Cloudは、オラクルが提供するパブリッククラウドサービスです。
オラクルのクラウド戦略は、『Integrated Cloud:エンタープライズ向けの統一化された
プラットフォーム』です。
先行するAWSやAzureと違い、オラクルはサーバー、ストレージ、ネットワークスイッチ等の
ハードウェアメーカーでもある強みを活かして、オンプレミスとクラウドの環境を、
同じ『アーキテクチャ』、同じ『オラクル製品』で構成しています。
そのため、オンプレミスの知識やノウハウを、クラウドでも活かすことができます。
Oracle Cloudでは、SaaS,PaaS,IaaSの全ての領域でサービスを提供しています。

Oracle Cloud Infrastructureは、Oracle CloudのPaaS/IaaSサービスです。
以下は、トップページの画面イメージです。

Oracle Cloud Infrastructureは、既存のパブリッククラウドサービス(AWS、Azure等)を、今の
テクノロジーで再設計して、エンタープライズシステムにも利用できる高性能のサービスを
安く提供するという思想のもと、設計されています。
余談ですが、Oracle社が OCIの技術者を採用する際に、「既存のパブリッククラウドサービスのIaaSを
再設計するとしたら、どうしたいですか?」ということを質問するらしいです。
例えば、ストレージについては、以下のように標準で他のクラウドサービスよりも高性能な
サービスを提供しています。

Oracle Cloud Infrastructure

他のクラウドサービス

IOPS課金 なし あり
性能目安 60 IOPS/GB(無償) 3 IOPS/GB(無償)
50 IOPS/GB(有償)
最大IOPS/インスタンス 400,000 IOPS 80,000 IOPS

よくクラウド利用の際に問題となるダウンロード課金についても、Oracle Cloud Infrastructureは
10TB/月まで無料とほぼ無料といってもよい料金設定となっています。
(他のクラウドサービスは1GB/月まで無料が多い)
さらに、他のクラウドサービスでは有償となる24時間365日のサポートについても、Oracle Cloud
Infrastructureではサービス料金の中に含まれています。
また、他のクラウドサービスでは設定されない管理性や性能についてのSLAも、Oracle Cloudでは
設定されています。
これらは、エンタープライズシステム向けのハードウェアメーカーでもあるオラクル社だから
できることかもしれません。

■AWSとの比較

例えば、AWSと同一性能のコンピュート、ストレージ、ネットワークで比較してみます。
※2018年5月8日 時点

上記より、エンタープライズ向けの性能を、より低価格で提供していることがわかると思います。

■価格体系

Oracle Cloud Infrastructureの価格体系は、Universal Credits といって、IaaS/PaaSの全てのサービスを
利用できます。支払い方法として、以下が選択できます。
◆従量課金制(Pay As You Go)
毎月利用した分を後払い
◆月額クレジット制(Monthly Flex)
毎月のクレジットを前払い(1年以上月単位)
Pay As You Goより、さらにお得な価格で提供(クレジット額と期間に応じてディスカウント)
クレジット内であれば、どこのリージョンのどのサービスを利用しても問題ない
超過分は、Pay As You Goとして請求
下記サイトで料金の簡易見積ができます。
https://cloud.oracle.com/ja_JP/cost-estimator

■Oracle Cloud InfrastructureとOracle Cloud Infrastructure Classic

ここまで、Oracle Cloud Infrastructureについて、お話してきましたが、実は、残念ながら
Oracle Cloud Infrastructureは日本国内ではまだ提供されていません。
(2018年7月30日現在、提供されているのは、北米とヨーロッパの4拠点のみ)
日本を含む世界各国で提供されているのは、Oracle Cloud Infrastructure Classic という
一世代前のサービスとなります。
https://cloud.oracle.com/ja_JP/data-regions
Oracle Cloud Infrastructure Classicについても、標準で提供されるストレージの性能が高い等、
Oracle Cloud Infrastructureと同様の利点はありますが、AWSやAzureと比較すると提供される
サービスの種類等、劣る部分も多々あります。
近々、日本国内にオラクル社が管理するデータセンターができるのにあわせて、Oracle Cloud
Infrastructureも提供されるようになります。
まだ、時期は発表されていませんが、2018年7月27日に開催されたOracle Innovation Summit
Tokyo 2018の基調講演では、”Very Very Very Soon”と言っていました。
クラウドサービスなので、北米で提供されているOracle Cloud Infrastructureを、日本国内で
利用することもできます。
Oracle Cloud Infrastructureは、AWS等と違い、リージョン毎の価格は設定されておらず、
全てのリージョンで同一価格となっています。また、リージョン間のデータ転送は無料です。
ですので、先行して北米のOracle Cloud Infrastructureを利用して、国内で提供されるように
なったら、そちらに移動するということも比較的容易にできます。

いかがでしょうか?何かと高いことで有名なオラクルですが、クラウドサービスについては、
高性能なリソースを安く提供しています。
国内リージョンでのサービス開始が待たれるところですが、もし、国内データセンターという縛りがない
のであれば、北米のOracle Cloud Infrastructureを、ぜひお試しください。
最大3,500時間の無料トライアルもあります!
https://cloud.oracle.com/ja_JP/tryit

次回は、PlateSpin Migrateというマイグレーション製品が、Oracle Cloud Infrastructureをサポートした
という記事を見つけましたので、それについて、記載します。